建物修繕依頼システム<KadaFacility>とは?
香川大学における建物の修繕依頼は、紙の申請書や口頭での報告によって行われており、修繕箇所を発見しても「誰かが○○課に連絡してくれるだろう」と判断し、実際には修繕依頼の連絡が行われないまま放置されてしまうケースが見られています。その結果、修繕が必要な箇所の情報が共有されず、対応が遅れる、または忘れられるといった問題が発生していました。さらに、紙や口頭での依頼では、依頼内容が正確に伝わらず、修繕の優先順位づけや進捗管理が難しいという課題もありました。これらの課題を解決するために開発されたのが建物修繕依頼システム<KadaFacility>です。
建物修繕依頼システムは主にPower Apps を用いて開発されました。修繕箇所を発見した「発見者」はPC・タブレット・スマートフォンなどの端末から、写真付きで簡単に修繕依頼を送信できます。また、建物の「管理者」は依頼内容をオンライン上で確認し、対応状況をリアルタイムで更新することが可能です。これにより、修繕依頼から対応完了までの流れを可視化し、連絡漏れや対応漏れを防ぐことができます。結果として、大学全体での施設の維持・管理の効率化が実現されます。
システムダウンロード
本システムについてのダウンロード提供は現在準備中です。
開発者
- 小西民恵(医学部・管理課経理係)
- 六車俊紀(DXラボ学生スタッフ)
- 谷﨑勇太(DXラボ学生スタッフ)
- 山本遥希(DXラボ学生スタッフ)
- 菊池志帆(DXラボ学生スタッフ)
開発者メッセージ(小西民恵/DXラボ学生スタッフ)
本システムは、既存システム(落とし物管理システム/KadaMikke)を派生元システムとして派生開発をおこなうことにより、短期間で開発することができました。建物修繕依頼システムでは、「修繕依頼の登録」、「依頼された修繕一覧の表示」、「修繕対応状況の入力」の3つの機能が必要でしたが、落とし物管理システムは、「落とし物の登録」、「登録済みの落とし物一覧の表示」、「落とし物が返却された場合の返却処理入力」、「落とし物の通知を希望するカテゴリ登録」の4つの機能を有しています。システムの目的や記載されている文言は異なりますが、建物修繕依頼システムに必要な3つの機能がすべて実装済みであったことが大きな利点でした。組織内にある業務課題の共通点に気が付くことができれば、既存システムを部分的に変更していくことで、非情報系の職員であっても内製開発に取り組むことは可能であることを実感しました。さらなる業務改善に向けてより実用性のあるシステムの開発を目指していきたいと考えています。(小西)
本システム開発では、大学職員の小西さん(市民開発者)と私たちDXラボ学生スタッフ(プロ開発者)が一緒に“フュージョン開発”に取り組みました。小西さんは現場の業務で感じていた課題をもとに、「どのようなデータが必要か」「どのような画面が使いやすいか」といった要件定義やUI設計を行いました。私たちDXラボ学生スタッフは、その設計をもとに実際のシステム開発を担当し、技術的な面から小西さんのアイデアを形にしていきました。特に、ユーザーへの通知機能の追加や操作画面の改善など、使いやすさを高める部分では意見を出し合いながら工夫しました。現場をよく知る小西さんの知識と、私たちDXラボ学生スタッフの技術を掛け合わせることで、実際の運用に合ったより便利なシステムを完成させることができました。これからも利用者の皆さまの声をもとに、大学職員とDXラボ学生スタッフが力を合わせて改良を続けていきます。(DXラボ学生スタッフ)
開発環境
- Microsoft Power Apps
- Microsoft Power Automate
- Microsoft SharePoint
- Microsoft Outlook
システムユースケース図
