- こんにちは、香川大学DX推進研究センター教授の米谷です。
香川大学はDX推進に一定の成功を納めています。なぜ成功できているのか、その秘訣はDX推進の戦略検討や実働を担当している我々も十分に理解できているわけではありません。
今回はその秘訣を探るため、香川大学のDXラボ(以下,DXラボ)の学生スタッフで、かまたまチームでスクラムマスターを務めている谷﨑勇太さんにお話を伺います。
学生
【DXラボスタッフに聞いてみた】2025年度学生スタッフかまたまチームスクラムマスター 谷﨑勇太
「業務システム内製開発の成功要因は、チームで一緒に働いているITエンジニア・現場の事業部門職員との良好な関係と試行錯誤にあると思います」

DX推進研究センター教授 米谷雄介

DX推進研究センターDXラボ学生スタッフ 谷﨑勇太
※インタビュー内容の一部はMicrosoft Copilotを用いて自動要約し、一部修正を加えたものです
スタッフが開発したシステムはこちらをご覧ください
自己紹介
米谷:こんにちは、米谷です。今日はDXラボの活動について、谷﨑さんにお話を伺います。
谷﨑:こんにちは、谷﨑です。香川大学大学院の博士前期課程1年生で、DXラボかまたまチームのスクラムマスターを務めています。
米谷:よろしくお願いします。
技術的な課題解決の取り組み
米谷:まず、DXラボでの取り組みについて教えてください。
谷﨑:最初に取り組んだのは、電子決裁システム「KadaSign/カダサイン」(SharePoint版)の開発でした。香川大学では、内製開発したシステムの一部をソリューションカタログで公開し、学外の方にも再利用してもらえるようにしています。KadaSignの公開にあたっては、もともとデータ管理にDataverseを用いて構築された「Dataverse版」をベースに、Microsoft 365のA3ライセンスがあれば動作する「SharePoint版」を開発することになりました。開発にあたっては、まず既存の「Dataverse版」について説明を受け、「SharePoint版」でどう実現するかは、自分で調べながら対応しました。
米谷:自分で調べるのは大変だったでしょう?
谷﨑:そうですね。最初は生成AIのChat GPTを使って調べて、細かい部分はマイクロソフトの技術資料を参考にしました。わからないところはDXラボに客員研究員として参加しているリコーのエンジニアの方に助けを求めました。
米谷:なるほど。自分で調べて解決する力がついたんですね。
谷﨑:はい、そうです。技術的な課題を自分で解決する力がついたと思います。
学生スタッフの育成
米谷:次に、スクラムマスターの役割について教えてください。
谷﨑:今年からスクラムマスターとして、チームのプロジェクトがスムーズに進行できるようにサポートしています。学部4年生の方に負担をかけすぎないように業務割当の際には気をつけています。
米谷:具体的にはどのようなサポートをしていますか?
谷﨑:例えば、プロジェクトの進行状況を把握して、必要なタスクを振り分けたり、技術的なアドバイスをしたりしています。
米谷:それは大変ですね。
谷﨑:はい。でも先輩から学んだことを後輩に伝えるのはやりがいがあります。
米谷:後輩の成長を見るのは嬉しいですよね。
谷﨑:そうですね。後輩が成長していく姿を見るのは本当に嬉しいです。
共同研究の成功要因
米谷:谷﨑さんは2024年度に企業さんとの共同研究に取り組まれています。共同研究に参加してみてどうでしたか?
谷﨑:はい。大学運営に関するソリューションに強みを持つ企業の方々と連携し、大学に共通するMVP(Minimum Viable Product)を特定することを目的に、業務システムの内製開発に取り組みました。 私が担当した共同研究申請システムの開発では、企業からの申請をFormsに統一することで申請後の処理を効率化しただけでなく、申請状況を管理するステータス機能も追加しました。 このステータス機能により、申請者と受付者の双方が申請状況を共有できるようになり、処理漏れの防止や、進捗の可視化による安心感の醸成にも貢献しました。
米谷:システム開発がうまくいった秘訣は何ですか?
谷﨑:開発チームに加わってくださった香川大学地域連携推進課の担当職員さんがシステム化に前向きで、スムーズに進めることができました。
米谷:なるほど。事業部門の職員さんとの良好な関係が成功の鍵だったんですね。
谷﨑:はい、そうです。職員さんがシステム化に対して前向きだったことが大きな要因です。
米谷:他のプロジェクトでも同じようにうまくいくといいですね。
谷﨑:そうですね。今後も良好な関係を築いていきたいです。
研究活動との両立
米谷:研究活動との両立についても教えてください。
谷﨑:去年は授業が少なかったので、DXラボと研究の両立が比較的楽でした。でも、DXラボのタスクが多くて、研究が後回しになってしまうこともありました。
米谷:それは大変ですね。
谷﨑:はい。でも、システム開発が好きなので、楽しんで取り組めました。
米谷:研究とDXラボの活動が独立していると大変ですよね。
谷﨑:そうですね。今年はDXラボで学んだデザイン思考のサイクルを研究にも取り入れていきたいと思っています。
米谷:それはいいですね。両立がうまくいくといいですね。
谷﨑:はい、頑張ります。
まとめ
谷﨑勇太さんは、技術的な課題を自ら解決し、学生スタッフの育成にも力を入れながらDXラボの活動に貢献しています。業務システム内製開発の成功要因は、チームで協働しているITエンジニアや現場の事業部門職員との良好な関係と試行錯誤の結果であるということも今回のインタビューから見えました。今回のお話が他大学でのDX推進の参考になることを期待しています。