インタビュー

interview

学生

吉岡 里穂

香川大学 創発科学研究科(大学院)

【DXラボスタッフに聞いてみた】DXラボ 学生スタッフ 吉岡 里穂


DX推進研究センター教授 米谷雄介


DX推進研究センターDXラボ学生スタッフ 吉岡里穂


DX推進研究センター教授 浅木森浩樹



「情報系は自分には無理だと思っていました」

   ——そう振り返る学生が、いまではAIエージェント開発のハンズオン講師を務め、教材を磨き続けています。



香川大学には、大学のDX(デジタル・トランスフォーメーション)を実際に動かす実働部隊「DXラボ」があります。ここでは学生スタッフや企業から参加する研究員が、大学の課題を解決するシステムを自分たちで企画・開発し、その使い方を学内外へ広めるハンズオン(体験型講習会)まで担っています。

今回お話をうかがった吉岡里穂さんは、学部4年生のときに一度は参加を見送り、大学院に進学した4月からDXラボに加わったスタッフです。プログラミングに苦手意識があった人が、どうやってAIエージェント開発の担当者になっていったのか。しかも吉岡さんは徳島県に住みながら、活動のほとんどをオンラインで進めています。


この記事では、他のスタッフの記事ではなかなか出てこない次のような話に絞ってお届けします。

▼急にリーダー代行を任されたチームを、どう動く状態まで立て直したのか
▼コードを書くのが苦手だった人が、ローコード・ノーコードの開発なら「試行錯誤が楽しい」と感じられた理由
▼講習会が時間切れになりかけたその場で、何を守って何を切ったのか
▼対面でほとんど会えないメンバーと、どうやって距離を縮めているのか

「勇気を出して入ってみたら、気づいたらできるようになっていた」
その過程を、できるだけそのままの言葉でたどります。

 ※インタビュー内容の一部はMicrosoft Copilotを用いて自動要約し、一部修正を加えたものです。


自己紹介

米谷:本日はよろしくお願いします。まずは簡単に自己紹介をお願いできますか。

吉岡:よろしくお願いします。香川大学大学院 創発科学研究科 情報システム・セキュリティユニットの修士2年で、米谷研究室に所属している吉岡里穂です。DX推進研究センターのDXラボでは学生スタッフとして、修士1年の4月から活動しています。

米谷:ありがとうございます。私は香川大学DX推進研究センター専任教員の米谷雄介です。今日の聞き手を務めます。

浅木森:同じく専任教員の浅木森浩樹です。私も横から質問させてもらいますね。うまく言えなくても後で表現は整えますので思ったことを素直に言ってください。 

吉岡:はい、ありがとうございます(笑)。

米谷:では改めて、いまどんなことに取り組んでいるかを教えてもらえますか。

吉岡:現在はAIエージェントを使った開発に主に携わっています。一番大きいのはAIエージェントのハンズオンで、そちらの資料の修正・ブラッシュアップをずっと続けている状態です。ほかにも、いまDXラボで開発されているAIエージェントについて、開発の相談を受けたりしています。

米谷:研究室の研究でもAIエージェントの開発に取り組まれていますよね。もう専門家になりつつある、という理解でいいですか。

吉岡:AIエージェントを自分の武器にしていきたいというか、AIエージェントの開発の力をつけていきたいと思っています。



リーダーがいなくなったチームで、まず「相談」から始めた

米谷:修士1年を経験してみて、DXラボはどうでしたか。

吉岡:学部のときに見えていたよりも、結構大変でした。いろいろやることがあって大変だなと思ったんですけど、やりがいもありました。

米谷:特に印象に残っている出来事はありますか。

吉岡:やっぱり「AXIES(大学ICT推進協議会)の年次大会」はすごく印象に残っています。チームで開発するという経験が今までなかったので、初めてそういうものに参加して、発表もすごく緊張したんですけど、やり遂げられたときはすごい達成感がありました。DXラボに入っていなかったら、自分の大学生活はあまり思い出がなかったかなと思うので、そういう経験ができてよかったです。

米谷:企業との共同のプロジェクト研究に参加して、実際の研究課題に対してシステムを開発する体験をした、というお話ですよね。チームはどんな体制だったんですか。

吉岡:もともとは合田さんがリーダーだったんですけれども、就職活動の関係で会議に出られなくなって、急遽、私がリーダーの代わりを務めることになりました。自分もプロジェクト研究自体が初めてで、まとめる立場も初めてだったので、大変だったなというのがすごく記憶に残っています。

米谷:最初のほうは、あまりうまくいかなかったですか。

吉岡:そうですね。最初のほうは、もう何を話していいかよくわからないというか、どう進めていいかよくわからなくて。「どうしよう」という間が多くあったんじゃないかなと思います。

米谷:それが、だんだんどんなふうに変わっていったんですか。

吉岡:私自身どう進めたらいいかわからなかったので、もともとリーダーを務める予定だった合田さんに相談して、アドバイスをもらいました。それをもとに、同じチームの人としっかり話すようにして。開発は個人で進めていたんですけど、個人だけでなく、みんなで進捗を共有し合うようにしたり。あとは、チームが2つに分かれていたんですけど、もう一方のチームに同じような技術を使っている子がいると聞いたら、自分からその子に聞きに行ったりして。そこで同じ技術を使っている人同士が協力してやるようになりました。

米谷:なるほど。それは着実に変わっていく感覚でしたか。それとも急に良くなった感じでしたか。

吉岡:急に、というよりは、どんどん、ですね。自分も意見が出しやすいと感じるし、他の人からも意見が出しやすい環境にどんどんなってきた、というか。あと、同じチームの学生スタッフ同士の仲もどんどん良くなって、話しやすくなったのはすごく感じました。

浅木森:そこは大きいですよね。技術の話をする前に、話せる関係を先に作っている感じがします。

吉岡:はい。結局そこがないと、相談も上がってこないので。



方向性が決まらないときは、外の視点を入れてもらう

米谷:チームとしては、何を目標に取り組まれていたんですか。

吉岡:教務システムのデータを使って、入学前の高校生をサポートする、香川大学に来たくなるような仕組みを作る、というものでした。私はオープンキャンパスから入学につながるかどうかを拾えるような仕組みを狙っていました。

米谷:普通なら消えてしまうオープンキャンパスの参加申し込みや出身高校の情報を大学に入った後の学籍情報と紐づけることで、高校生のその後を追跡できる仕組みを作った、という理解でいいですか。

吉岡:はい、そうです。

米谷:その中で、本当に大変だったなと思うところはどこでしたか。

吉岡:一番は案を出すというか、どうやったら入学前にアプローチできるのかを考えるのに、すごく時間がかかった記憶があります。

米谷:アプローチの方針は、どういうきっかけで固まったんですか。

吉岡:いろんな案は出ていたんですけど、「オープンキャンパスのつながりが見えることって、大学にとって必要かどうか」があまりわからなくて。ずっと「どうしよう、どうしよう」で止まっていたんです。そこに八重樫先生がチームの会議に入ってきてくださって、「いいじゃん」「じゃあこうしよう、ここはこうしたらいいんじゃない」という感じで、どんどん決まっていきました。「こういう流れでいきましょう」というのがすぐに決まったと思います。

浅木森:先生が入ってきてくれて、勢いよく決めてくれた、とも言えますね(笑)

米谷:(笑)。ひょっとすると、方向性が決まってからコミュニケーションも円滑になった、という側面もあるのかな。

吉岡:そうですね。決まってからどんどん進むようになりました。決まるまでの間は、自分もどうしたらいいかわからなくて、ちょうど相談していた時期だったと思います。

米谷:方向性が定まらないと、みんなで役割分担しようと思っても難しいですよね。目的が共有されたから、自分たちのやることが明らかになって、分担もしやすくなった。学生だけで抱え込まずに、判断できる人を巻き込むというのも一つの手なんでしょうね。

吉岡:はい。案が出ないというより、どれを選べばいいかがわからない状態だったので、そこを一緒に見てもらえたのは大きかったです。



「私が?」から始まったAIエージェント開発

米谷:修士1年の思い出として、ほかにはどんなことがありますか。

吉岡:AIエージェントのハンズオンの開発を任されたことは、思い出というか、自分の力になったなと思っています。

米谷:任されたのはいつ頃でしたか。最初はどう思いました?

吉岡:AXIESが終わってすぐぐらいだったと思います。もう、びっくりって感じでした。当時の学生リーダーだった簑原さんから急に「じゃあ担当は吉岡さん」という感じで振られて、「なんだこれは」と(笑)。その時はAIエージェントなんて全然わからなくて、開発ツールの使い方から教えてもらうような状態だったので、「こんなんできるかな」「どうしよう」という感じでした。

米谷:不安はあったけれど、最終的にはちゃんと間に合いましたよね。

吉岡:そうですね。AXIESのときに最初に結構遅れたというのもあって、今度は「ここまでにこうしよう」というのがちゃんと決められていたので、それを厳守できるようにしようと思って。自分の中でも「ここまではこの日までにやる」というスケジュールをちゃんと決めてやっていたので、なんやかんや、ちゃんと間に合いました。本番前はリハーサルをいっぱいしましたけど、すごくきつかったかと言われたら、そんなことはなく、割と順調に進められたんじゃないかなと、今振り返って思います。

米谷:実際に着手してからは、スムーズだったんですか。

吉岡:いえ、全然スムーズではなかったです。最初のほうは開発ツール自体の記事もあまりなくて、自分で実践して確かめていくみたいな感じでした。指示文の文言が一行違うだけでも、想定通りに動かなくなるというのがあったので、どうしたらいい感じに動くかを何回もテストを繰り返して。あとは、休暇申請確認エージェントを担当していた簑原さんとすごく連携を取りながら、「ここはこうしたらよかったよ」とやり取りしながら進めていったと思います。

浅木森:それだけ辛い状態だったじゃないですか。心が折れなかったのは、何かあったからですか。

吉岡:大変ではあったんですけど、そんなに心が折れる感じじゃなくて。何回もテストして「あ、ここ変わるんだ」とわかっていくのが、結構自分は面白いなと思うほうだったので。「もっとここ変えてみよう」みたいな感じで、前向きに開発できていました。

浅木森:トライアンドエラーを楽しめた、という感じなんですね。それはいいですね。



コードが書けなくても、試行錯誤はできる

米谷:AIエージェントの開発は基本的にノーコードで、自然言語で指示を書いていくタイプですよね。学部生の頃のC言語やJavaといったプログラミング言語のときと比べて、試行錯誤の感覚に違いはありますか。

吉岡:全然違うと思います。もともと学部4年のときにDXラボに入らなかったのも、C言語やJavaが全くできなくて、授業に全然ついていけなかったからなんです。「DXラボに入ったって絶対ついていけないからやめておこう」と思って入りませんでした。だから最初にAIエージェントと聞いたときも「絶対無理だ」と思ったんですけど、始めたらローコード・ノーコードで自然言語だったので。

米谷:これまでコードを書く系に抵抗感があった、と。

吉岡:はい、抵抗感があったんですけど、そういうのはなく取り組めました。ずっと「自分はそういうのできない」と思っていたので、テストでトライアンドエラーするのも楽しめましたし、「自分できてる」というか、できるようになっていく過程が目に見えてわかったのが、楽しめた要因なのかなとも思います。

米谷:「こういうふうに表現を修正したらうまくいくんじゃないか」という予想が立てられて、実際にやってみる。うまくいくときもあれば、いかないときもあって、「もうちょっとこうしたら」と考え続けられた、ということですね。

吉岡:はい。

米谷:普通のプログラミングだと、そもそも予想も立てられないし、何がどうなのかもわからない。学部時代は苦手意識があって試行錯誤は難しいと思っていたけれど、そこがローコード・ノーコードで払拭された。もともと考えること自体は好き、ということですよね。

吉岡:まあ、そうなりますね(笑)。

米谷:いろいろ試して結果を見るのは好きだったけれど、言葉の壁みたいなところでつまずいていただけで、決して情報系に向いていなかったわけではなかった、という話ですよね。

吉岡:はい。



時間切れでも「動いたところ」だけは体験してもらう

浅木森:ハンズオンの話を聞かせてください。Kadai DX塾ではいろんなトラブルがあったじゃないですか。吉岡さんはその場で講師をしながら、うまくさばいていた気がするんですけど、あのときは実際どう思っていたんですか。

吉岡:あのときは時間が圧倒的に足りなくて、最後までできない、というのがありました。ただ、エージェントをテストするところをちゃんとしていないと、「体験が楽しかった」と思えないというか。実際に動かしてみないと、自分が開発しているものがどう動くのかがわからなくて、いい体験につながらないなというのは、ずっと開発する中で思っていたので。時間がなかったにしても、できるところをいい感じにカットして、「これをやることで、ここができました」という体験だけはやりたいと思って。

浅木森:その場で進行を変えたんですね。

吉岡:はい。一部分はカットしたんですけど、ちゃんと動く形になるように、その場でハンズオンの進行を変えて進めました。結果として、休暇の残日数が見えるというところまではちゃんと体験できたので、いろいろあったけど、まあよかったかなと。

米谷:それだけで終わらないのが吉岡さんらしいところですよね。その後、資料も直したんでしたっけ。

吉岡:はい。それまでは「休暇の残日数が見えるところ」と「残日数を減らすところ」が全部一体化していたんですけど、そこを分けてテストできるようにしました。今後もし時間が足りなくなったときも、カットしてもなんとかなるように。ちゃんとその時その時でテストして、エージェントを作っている体験が得られるように、資料を修正しました。

浅木森:学生であんな大きな場に立って、しかも堂々としていた。安定感はすごかった気がしています。褒めてますからね(笑)。

吉岡:ありがとうございます(笑)。AIエージェント以外のハンズオンにも結構行っていたので。AXIESのときはめちゃくちゃ緊張したんですけど、ハンズオンではあまり緊張せずに、普段通り進められたなと思っています。

米谷:いま伺った作り方の方針は、教材設計でいう「スモールステップ」という考え方に非常に理にかなっているんです。小さな達成感を積み上げて、最終的に大きな目標にたどり着かせる。これは感覚的にわかっていたんですか。それとも、どこかで学ぶ機会があったのかな。

吉岡:リハーサルを何回かやって、そのときの反応を見たり、自分の進め方を振り返る中で、「何回か作って動かす機会がないと、あまりいい体験に繋がらないな」と感じたのが大きいです。あとは、もともとあったイベント参加受付のハンズオンでも、何回かテストして「SharePointに入りましたね」という結果が見られたと思うんですけど、自分が開発して動いているところが見られるのが嬉しくて。私自身、初めてイベント参加受付をやったときも「できた」という達成感があったので、AIエージェント編のときも、ちゃんとテストして動いているところを見せたいなという気持ちはずっとありました。

米谷:「できた」という感覚を届けることを、大事にしているんですね。

吉岡:はい。



徳島からのリモート参加でも、距離を縮める方法はある

米谷:チームで成果を出すために意識していることや、周囲との協働で大切にしていることはありますか。

吉岡:できるだけ話しやすい環境を作るようにしています。気さくに話しかけるようにして、「話しやすい先輩」って思ってもらえるように。私自身が徳島で活動しているのもあって、DXラボの学生メンバーに対面で会う機会がなかなかないので、ちゃんと仲良く、ちゃんと話せるように心がけています。

米谷:吉岡さんは徳島県にお住まいで、リモートでDXラボの活動に参加されている。これはこれまでにない特殊な例だと思うんですけど、修士1年のときからそうでしたよね。困ったことはありますか。

吉岡:修士1年のときからで、イベントとか用事があったときに香川に来る、という感じでした。困ったことは、やっぱり顔を合わせて話したほうが仲は良くなりやすい、距離は縮まりやすいなというのは、オンラインになってすごく感じたことです。

米谷:では、その数少ない対面の機会をどう使っているんですか。

吉岡:対面のときに聞いた話、たとえば「何々が好き」と言っていたことは、基本は覚えておくようにしています。それで、後からオンラインで「何々好きって言ってたよね」みたいな話をしたりして。普段はなかなか顔を合わせられない分、次に会えたときにちゃんと話せるように、意識して覚えておくようにしています。

米谷:それはオンラインで活動する上での大事な心構えかもしれませんね。活動以外の部分や人となりの部分って、オンラインだとどうしても抜け落ちがちですから。そこまで意識できている人はあまりいない気がします。逆にオンラインだからこそ、すごく大事にしているところもあるのかな。

吉岡:そうですね。あとは、普段オンラインでしか話していない分、顔と声が一致しなくて。DXラボに初めて対面で行ったとき、みんなニコニコ話しかけてくれるんですけど『この人誰だっけ』とわからないことが結構あって。そういうときは後から詳しい人にこっそり聞いて、「あ、〇〇さんか」と。顔を覚えるのは結構得意で、ちゃんとそこで覚えて帰るようにしています。

浅木森:それ、かなり実践的なノウハウですね(笑)。

吉岡:はい、必死です(笑)。



自信がなかった自分から、いまの自分へ

米谷:学部4年生の自分、修士1年の自分、そしていまの自分を比べたとき、どんなふうに成長してこられたと認識していますか。

吉岡:4年生のときは「自分にこんな活動、絶対できないし」という感じで、割と消極的で、こういう活動には参加しないタイプだったんですけど。DXラボに入ってからは、東京とか広島とかのハンズオンにも参加させていただいて。人の前で話すということが全然なかったので、そういう面ではすごく成長したなと感じますし、開発に関しても、4年生の頃といまではだいぶ力がついたなと思っています。

米谷:いまのお話は、「情報系は私には絶対無理」と思っている方に対して、「いや、実は全然できるんだよ」というメッセージにもなりますよね。何がその成長を支えたと考えていますか。

吉岡:まず、ハンズオンにいっぱい参加させていただいたのが、すごく成長につながったと思っています。講師側でも、テストのときに受講生側でも参加させてもらったので、自分自身もローコード・ノーコードで開発するスキルを身につけることができました。あとは、同期のみんなが私以外は4年生から入っていて、DXラボでは1年先輩みたいな感じなんです。私よりもいろんなことを知っていて、いろんな活動をしてきた経験があったので、「ここどう?」と聞いて教えてもらったり、困ったときにアドバイスをもらったりできたのは、すごく助けになりました。

米谷:4年生のときは自信がなかったけれど。

吉岡:はい、DXラボの活動を通して、結構自信がつきました。

米谷:まずはいろんな活動に参加してみること、わからなかったら聞けばいいということですね。技術的なところよりも、「この人たちと一緒に活動してみたい」という気持ちからスタートしている、というのも大きいのかもしれません。

吉岡:はい。そこは大きかったと思います。



これからと、同じ立場の人へのメッセージ

米谷:最後に未来の話を。修了に向けてどうしていくか、社会に出てどういう仕事をしていきたいか、教えてもらえますか。

吉岡:大学の在学期間中は、システム開発の力、特に自分はAIエージェントを担当しているので、AIエージェントのシステム開発の力をどんどん身につけていきたいと思っています。DXラボの活動自体が、社会人になったときにすごく力になると思っているので、修了まで頑張っていきたいと思っています。

米谷:就職先はもう決まっているんですよね。そこに興味を引かれた理由や、関心のありかを教えてもらえますか。

吉岡:地元に近いところで働きたかったので決めたんですけど、IT企業の高松事業所に入社予定で、地域と連携してやっていくと聞いています。いままでの活動もすごく地域と関わってやってきたなと感じていて、地域と関わってするのがすごく楽しかったので、今後もそういうのを続けられたらなと思っています。

米谷:いい就職先が決まって、よかったですね。では最後に、理系や情報系は難しい、開発なんて私には無理、と思っている未来の情報人材の卵の皆さんに、一言エールをお願いします。

吉岡:自信がない方でも、勇気を出してDXラボの活動に入ってみたら、ハンズオンだったり開発だったり、いろいろな業務があって、いろいろ体験することがあって、気づいたら自信がついていたというか、気づいたらできるようになっていて。ハンズオンでも緊張せずにできるようになっていた、という感じなので。私自身、大学4年生のときに「入りませんか」とお声がけいただいたときは、勇気が出なくて入らなかったんですけど、修士から勇気を出して入ってみて。自分にとって良いスキルであったり力であったり、身についたものは、もういいことでしかなくて。なんなら「あの時、勇気を出せばよかったな」と思うことも、なくはなかったので。ちょっと勇気を出して、頑張りましょう、みたいな。

米谷:いろんな方に刺さるメッセージだと思います。今日はありがとうございました。

浅木森:ありがとうございました。

吉岡:ありがとうございました。



おわりに

吉岡さんの話から見えてきたのは、「できないと思っていた自分を動かした一歩」「わからないときに人に頼る力」「体験する人の目線を手放さない姿勢」です。

迷っていることを一人で抱え込まず、そのまま言葉にして周囲に相談する。わからないときには自分から尋ね、得たものは自分のなかにとどめずに共有していく。そうした一つひとつのふるまいが、経験を確かな力へと変えてきたのだと感じます。

そして、その姿勢は自分自身の成長にとどまりません。誰かが同じところでつまずかずに済むように、伝え方や手順そのものを整えていく。相手が今どこにいるのかを想像しながら関わる態度は、技術以上に、周囲を前へ進める力になっています。

はじめの一歩をためらっている人にとって、こうした歩み方は、静かで確かな後押しになるはずです。