- 香川大学DXラボのスタッフブログでは、DX推進の現場で活躍する学生やスタッフのリアルな声をお届けしています。その中で、技術者ではない立場から「調整役」として活躍するスタッフがいます。今回ご紹介するのは、情報企画課の川瀬 舞さん。学生や教員が安心して挑戦できる場をつくる“DXおかん”として、裏方で現場を支える頼れる存在です。カンバンボードによるプロジェクト管理、イベント運営、そして学び直しへの挑戦などを語っていただきました。
この記事では、川瀬さんがどのように「学生が主体的に動けるような働きかけ」や「横断的な調整」を実現してきたのか、さらに論文に触発されて大学院進学を決意した背景まで深掘りします。DX推進を担う現場のリアルな知恵を、ぜひ参考にしてください
職員
川瀬 舞
香川大学 情報企画課
【DXラボスタッフに聞いてみた】情報企画課 川瀬 舞
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カンバン方式を用いた学内アジャイル開発におけるプロジェクト推進への取り組み
※インタビュー内容の一部はMicrosoft Copilotを用いて自動要約し、一部修正を加えたものです。
自己紹介
久我:DX推進研究センター特命准教授の久我です。今日はよろしくお願いします。
末廣:情報システム課の末廣です。今日はよろしくお願いします。
川瀬:情報企画課の川瀬舞です。2022年11月に香川大学に採用されて以来、DXラボの活動に関わっています。現在はDX推進研究センターの業務を中心に、イベント運営やプロジェクト管理のほか、サイト改善などを担当しています。
カンバンボードで進捗を「見える化」しつつ、やる気を醸成
川瀬:まず、私が日常的にやっているのは、カンバンボードで開発プロジェクトの進捗を管理することです。カンバンボードは、各プロジェクトが付箋で並び、進捗に応じて動いていく仕組みになっていて、学生に「やらなきゃ」という気持ちを自然に生み出します。また、全体の流れが見えることで、次に何をすべきかが分かりやすくなるんです。
久我:なるほど。仕掛けとして行動を後押ししているんですね。
川瀬:そうですね。ただ、その気持ちが負担にならないように、声かけは工夫していますね、「急ぎじゃないので、手が空いたらで大丈夫」など。担当している学生の状況も把握して、忙しそうなら「終わってからで大丈夫」と伝えます。強制感を出さず、動きやすい環境を整えることが大事だと思っています。
末廣:その配慮があるから、学生も主体的に動けるんでしょうね。カンバンボードを使うことで、全体を俯瞰できるのも大きなメリットですよね?
川瀬:はい。例えば、システムの名称や仕様がチームごとに違っていることに気づいて、橋渡し役として調整することがあります。こうした横断的な視点は、私の立場だからこそできることだと思っています。
※実際のカンバンボード
イベント運営で「困ったら私に聞いて」を徹底
川瀬:次に、イベント運営の話をすると、DXラボではシンポジウムやハンズオンなど、学生が講師や発表者になる場が多いんです。私はその裏方として、資料準備や段取りをサポートしています。また、学生が初めて講師を務めるときは、緊張しないように一緒にリハーサルをしたり、そのとき必ず「困ったら私に聞いて」と伝えています。誰に聞けばいいかわからない不安をなくすためです。
末廣:安心感を与える一言ですね。
川瀬:はい。大学内で顔を合わせたら必ず声をかけます。「久しぶり、忙しかった?」とか、ちょっとした会話で距離を縮めるようにしています。
久我:その積み重ねが、学生との信頼関係につながっているんですね。
論文に触発され、学び直しを決意
川瀬:そして、私自身の話になりますが、DXラボの活動が論文になっていくのを見て、「こんな面白い世界があるんだ」と衝撃を受けました。特に、職員が主導となって実施しているデジタルONEアンバサダーの取り組みが論文になると聞いたときは驚きましたね。それがきっかけで、大学院進学を考えるようになりました。
久我:それが学び直しのきっかけに?
川瀬:はい。科目等履修を受けているのですが、アウトプット力の弱さを痛感しました。だからこそ、大学院でしっかり学びたいと思っています。
末廣:挑戦する姿勢が素敵です。失敗しても怒られない環境も後押しになっていますか?
川瀬:そうですね。私自身"失敗は伸びしろ"だと考えているので、DXラボは「まずやってみよう!」という風土ができているので強力な後押しになっています。学びたい!挑戦したい!という気持ちを維持できるのもDXラボだからと感じています。
大学と地域をつなぐ挑戦
久我:これから目指す自分像は?
川瀬:DXラボの「顔」として、大学内外の人をつなぐ役割を担いたいと思っています。私はよく「DXおかん」と呼ばれ(笑)、、、学生と教職員を繋ぐ役割を担ってきました。こうした経験を活かして、香川大学と関わりたいと思う人を更に増やしたいと考えています。
末廣:技術的なスキルを獲得するだけじゃなくて、全体をハンドリングする役割ですね。
川瀬:そうです。これまでは目の前の仕事に全力で取り組んできましたが、今後はもっと戦略的に動けるようになりたいと思っています。大学の取り組みを広げるために、適切な部署や地域とつなぐ役割を担えるようになりたいです。
久我:その視点、とても重要ですね。
川瀬:はい。香川大学のDXラボが「すごいな」と言われる存在になってほしいですし、そのために自分の成長が貢献できるよう努力したいと思っています。
おわりに
川瀬さんの話から見えてきたのは、「全体を見渡す調整力」「人を安心させるコミュニケーション」「学び続ける前向きな姿勢」です。 カンバンボードで進捗を見える化し、学生が動きやすい環境を整える。イベント運営では「困ったら私に聞いて」と声をかけ、信頼関係を築く。そして、論文に触発されて学び直しを決意し、自分の成長を大学や地域の未来につなげようとしています。 こうした姿勢は、DXラボの活動を円滑にし、周囲に安心感と活力をもたらしています。川瀬さんの取り組みは、単なる業務を超えて、人と人をつなぎ、挑戦を後押しする力になっていると感じました。
香川大学DXラボの現場で得られた学びは、きっと他の大学や組織でも活かせるはずです。今後もスタッフ一人ひとりのリアルな声をお届けしていきますので、ぜひご期待ください。
