インタビュー

interview

職員

中村 優介

香川大学 キャリア支援課

コロナで困っている学生を救え。

2020年、世界中で新型コロナウィルス感染症がはやり、学生生活にも大きな影響が出た。特に就職を控えていた学生たちは、企業との対面の面接ができず、オンライン面接に対応せざるを得なかった。学生にとっては、その環境を整えることが不可欠だったが、通信がしっかりとつながらない、画像が不明瞭など、悩みを持つ人は少なくなかった。「学生たちを助けたい」。キャリア支援課の中村は、このニーズに応えるため、いち早くオンライン用の個室BOXを設置することにした。

DXラボ運用第一号の誕生。

折しも、香川大学には、DXラボというデジタル化を進める部署が動き出していた。ハンズオンセミナーなどにも参加しDXに興味があった中村は、就職用に使えるオンラインBOXをつくるために、DXラボに相談を持ちかけた。やりたいことがあるなら、技術的な開発はDXラボで取り組んでもらえば、スピーディな実現ができると思ったからだ。一方、DXラボでも大学内のDX化に対して積極的だった。現状にとどまらず、多くの人にとって役立つシステム開発を、熱量を持って進める精神があった。双方の想いが合致したことで、「オンライン選考用個室BOX予約システム」は、中四国の国立大学でも一番早く立ち上がった。



できるだけシンプルなシステムでスタート。


オンライン選考用個室BOXは、学生たちが事前に予約して、面接や自己PR動画をつくるために使える部屋。必要なのは、使いやすい予約方法とパソコンの知識がそんなになくても誰もが簡単にできる操作方法。ポイントになるのは、シンプルさだと中村は思っていた。そこで、DXラボとの相談で、最初は複雑にしすぎないシステム開発を進めていくことにした。「予約はクリックでできるようにし、個室で使うパソコンも、難しい操作をしなくてもスイッチをいれるだけで立ち上がる。手ぶらで来てもらえれば、すぐに利用できるようにしました」。学生のニーズに何とか応えたいと願った中村の気持ちはしっかりとカタチになり、現在も予約はほぼ埋まる状態が続いている。


システムも設備も少しずつレベルアップ。

「オンライン選考用個室BOX予約システム」、別名「ミライBOX」は、学生たちの明るい未来をサポートする設備。落ち着いた雰囲気、画像や音質の鮮明さなども相まって、利用率はどんどんアップしている。ただ、中村は現状に満足しているわけではない。もっと使いやすくて満足度の高いシステムをめざしている。個室に関しては、パソコンはもとより、カメラ、ライト、防音マットを導入して設備をレベルアップし、予約システムは、2段階から1段階にしていくことに取り組んでいる。また、利用者にはコードを送ることでキーレスを実現することも進めている。さらに、パソコンを増やして、就職用以外にも使える可能性も探っていきたいと考えている。「ミライBOX」は、これからも学生の明日を拓いていく場所になっていくことだろう。